明日7/1(土)より、小田急バス狛江営業所管内において、ダイヤ改正が実施されます。
今回の記事では、その改正内容についてまとめていきます。
渋24から撤退
今改正最大のトピックスです。
小田急バス狛江営業所と東急バス弦巻営業所で共同運行を実施していた、渋24系統(渋谷駅〜成城学園前駅西口/南口・成城線)から、小田急バスが撤退します。
渋24系統は、それまで小田急バスにほとんど存在していなかった都心乗り入れ路線を開拓するため、1951年に若林営業所所管系統として新設されたのが始まりです。その後1960年の狛江営業所開設と同時に移管されています。東急バスが既に路線網を発達させていた地域に新規参入したため、開設当初は上町から渋谷駅までの途中停留所への停車は認められておらず急行運転をしており、その後徐々に各停へと移行して晩年の形となっていました。
渋24系統は、小田急バスでは新百合管内の循環系統(鶴08/柿25・多分)を除くと唯一、途中停留所で前面行先表示器の経由表示が切り替わる路線です。主な4つの停留所の1つ手前の停留所を通過すると切り替わる仕組みで、片道5種類ずつ、合計10個の表示が存在しています。フルカラーLEDの系統色は薄いオレンジ色でした。(下図参照)
途中停留所止まりや深夜バス、枝分かれ系統などの設定がなく、これだけ多様な表示が存在している系統は、唯一無二の存在でした。
先述の通り、当系統は東急バスと共同運行を実施していたため、渋24に運行事業者に関わらず乗車できる、所謂共通定期券の取り扱いがありました。
しかし今回の小田急バスの撤退に合わせ、東京都市大附属小学校前〜渋谷駅の共通定期券の取り扱いは終了(6月末までの発売分は有効期間終了まで利用可能)となります。
東急車の渋24は、側面表示器で共通定期券が利用できる旨の案内がなされていました。既に改正に合わせROM更新されており、共通定期券取扱車の表示は消滅、また系統表示は反転表示となりました。
渋谷駅〜農大前(渋22は桜丘三丁目)の間では、東急バスにおいて上の3系統も併せて運行されていたため、こちらにも共通の表記がなされていました。既にこれらの表示もROM更新により消滅しています。
なお、世田谷区内で小田急バスと東急バスが共同運行している路線は、成城学園前駅と二子玉川駅を結ぶ玉07系統もありますが、こちらは明日以降も共同運行は継続の上、ダイヤの変更はなく、本数は維持されます。
また、玉07系統についての共通定期券は引き続き発売されます。
渋26 大幅減便
小田急バスで3番目に路線距離の長い渋26系統(渋谷駅〜調布駅南口)が、2番目に長い宿44系統(新宿駅西口〜武蔵境駅南口)と同じく1日2往復まで減便されます*1。
1977年まではこの路線も東急バスとの共同運行を行なっていた歴史がありますが、こちらは長い間小田急単独での運行を続けています。
以前は調布市国領町に本社工場を置いていたJUKIなどへの通勤需要が高く、玉08と同様30分ヘッドで運行されていましたが、JUKIの移転に伴う通勤客減少により、2014年から平日は朝夕のみの運行に大減便されました。
その後も減少傾向にありながらも、6月までは平日6往復、土休日5往復の運行本数を維持していましたが、今回さらに追い打ちをかけることになりました。
明日7/1からは、この残る2往復のみが小田急バスで世田谷通りを長区間乗車できる路線となります。フルカラーLEDの系統色は紫色で、経由表示は渋24と異なり、全区間で三軒茶屋・狛江駅北口の固定になっています。
渋24/26系統の改正により、狛江車、また多摩ナンバーのバス車両の渋谷駅乗り入れは1日2回にまで減少しますが、小田急バス全体では、若林営業所の渋54系統が終日に渡って乗り入れます。
玉07/08 東名高速下への停車開始
成城学園前駅西口と二子玉川駅を結ぶ玉07系統、および調布駅南口と二子玉川駅を結ぶ玉08系統において、今年3月1日の東急バス瀬田営業所管轄の宇奈根線再編に伴い、乗換ポイントの役割として新設された「東名高速下」バス停(7~9時台の二子玉川駅方向のみ停車)に、先に停車するようになっていた東急バス便に続き、小田急バス便も停車を開始します。
東急バスでは、宇奈根線砧06系統は朝のみの運行されており、元々二子玉川駅まで乗り入れた系統を分断したための措置として、この東名高速下において砧06→玉07の乗り継ぎに限り新たな運賃を収受しないこととしています。
しかしこの乗継割引制度は小田急バス便にも適用されるようになるわけではないため、得をするのはシルバーパス利用者と、本当にピンポイントで周辺に用事のある利用者くらいで、小田急バスにもメリットはないように思いますが、真偽の程は不明です。
運行本数についてですが、玉07系統・玉08系統ともに現状維持となります。また先述の通り、この路線における東急小田急の共通定期券の発売は継続されます。
なお、東急バスと小田急バスの共同運行路線ですが、今回の渋24の解消に続いて、9/1には神奈川県内の新21/23/25・柿23から東急バスが撤退し、小田急バスに一本化することが発表されています。
そのため9月以降、東急バスと小田急バスの共同運行路線はこの玉07系統と、神奈川県内で鷺31系統(鷺沼駅〜聖マリアンナ医科大学)のみが残ることとなります。但し後者には川崎市バスも加わり3社体制で運行されているため、小田急東急2社体制という面では、玉07系統のみが残ります。
境91 土休日の狛江営業所止を拡大
2022年8月16日のダイヤ改正で、それまでの最終1便のみから、平日日中にも設定されるようになった武蔵境駅南口発狛江営業所行が、土日祝の夕方以降に3便新たに設定されます。
平日の時刻変更はないほか、土日祝も狛江営業所→狛江駅北口を除く、今改正での減便はありません。
成04/05の減便
セットダイヤで運行されている、成04系統(成城学園前駅西口〜調布駅南口)、成05系統(成城学園前駅西口〜狛江駅北口)がともに減便となります。
特に平日日中は概ね15分ヘッド毎時4本で運行されていましたが、20分ヘッド毎時3本まで減回されます。(なぜか平日12~13時台狛江発にあった、成05の30分近く空く間隔は調整されるようです)
小型車路線の運行間隔調整・終車繰り上げ
小型車で運行されている、仙01系統(仙川駅〜三鷹台駅)・喜01系統(喜多見駅〜狛江ハイタウン折返場)の終車時刻が繰り上げられます。
また喜01系統については、日中の運行間隔に開きのある時間帯がありましたが、これについては間隔が調整され、概ね1時間に1本の運行本数が確保されました。
仙01系統は終車1往復のみの削減です。
その他軽微な変更
・NTT中央研修センター〜成城学園前駅西口の平日夕方の直行便が増回されます。
・狛01(慈恵医大第三病院前〜狛江駅北口〜多摩川住宅)の時刻が変更されます(平日早朝の多摩川住宅からの狛江駅北口行が、1本狛江営業所行に延長されます)。
・狛江営業所から各方面(狛江駅北口・成城学園前駅西口/南口・仙川駅・千歳烏山駅南口)の入出庫便の運行本数・時刻が変更になります。
・狛江営業所発成城学園前駅西口行(前原公園・仙川駅入口経由)早朝出庫便のうち、土曜の3便中2便と日祝の3便中1便が、上祖師谷四丁目始発に変更されます。
車両変動
7/8(土)に、主に渋24の撤退に伴う余剰車両が廃車となるため、引退車両の撮影会および部品販売会が狛江営業所第二車庫で開催されることが、6/22にアナウンスされました。
このアナウンス内で引退する車両が公表されており、以下の2台です。*2
・05-D9101 PJ-LV234L1
・06-D6050 PJ-MP37JK
今後この2台以外の車両変動が発生した場合、以下に追記しまとめていきます。
(7/23追記)
上記の2台のほか、以下の8台が余剰のため除籍されました。いずれも7月以降の運用実績はありません。
・05-D9091・05-D9092・05-D9099・05-D9109 PJ-LV234L1
・05-D6041・05-D6042・06-D6047・06-D6048 PJ-MP37JK
また、残ったPJ-MP37JKの06-D6043~6046のうち、6043と6044も新車投入により代替されています。
以上、7/1の狛江営業所管内、小田急バスの改正についてまとめました。
渋24の長い歴史に幕が降りるのはなんとも寂しい気持ちです。
ではではまた次回〜。